バリトン
甲斐 栄次郎
熊本県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、東京藝術大学大学院音楽研究科声楽専攻(オペラ)修了。1998年、"第29回イタリア声楽コンコルソ"シエナ部門第1位・シエナ大賞受賞。1999年、"第4回 藤沢オペラコンクール"にて第3位入賞。2002年6月、イタリア、リーヴァ・デル・ガルダで開催された"第8回リッカルド・ザンドナイ国際コンクール"にて第3位入賞、同年11月、プーリア州レッチェで開催された第10回"ティト・スキーパ国際コンクール"第1位入賞。平成14年度五島記念文化賞オペラ新人賞受賞。

1996年、二期会オペラスタジオ第39期マスタークラス修了、修了時に最優秀賞ならびに川崎靜子賞を受賞。1998年、オペラ研修所第11期修了。1999年、文化庁派遣芸術家在外研修員として、アメリカ合衆国、ニューヨーク市へ留学。2002年、五島記念文化財団の助成により、イタリア、ボローニャへ留学。

2003年、ウィーン国立歌劇場にデビュー。同劇場において10年間に渡り専属ソリスト歌手として活躍、レパートリーは60役を超え、42役で約336回の公演に出演。2003年12月、トーマス・ハンプソン主演の『シモン・ボッカネグラ」においては、急病の歌手に代わりパオロ役で急遽出演し、暗殺者を緻密に表現、存在を深く印象付けた。同役では、レオ・ヌッチ、プラシド・ドミンゴ、バルバラ・フリットリ、フェルッチョ・フルラネット、ジュゼッペ・サッバティーニらとも共演。2012年5月、エディタ・グルベローヴァとの共演で、歌唱、演技共に高い評価を得たドニゼッティ作曲『ロベルト・デヴェリュー』ノッティンガム公爵をはじめ、『ランメルモールのルチア』エンリーコ、『愛の妙薬』ベルコーレ、『ラ・ファヴォリータ』アルフォンソ11世、『蝶々夫人』シャープレス、『ラ・ボエーム』マルチェッロ、『マノン・レスコー』レスコー等、特にイタリア・オペラ作品のプリモ・バリトン役において高い評価を得ている。ウィーン国立歌劇場の2008年の日本公演において、エディタ・グルベローヴァ主演『ロベルト・デヴェリュー』にグアルティエーロ・ローリ役で出演。2012年、日本公演に再び参加、『子供ための"魔笛"』においてパパゲーノ役を好演。

国内においては、2002年、二期会創立50周年記念公演『フィガロの結婚』のタイトルロール、『ニュルンベルグのマイスタージンガー』夜警役で出演。小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトⅢ『ドン・ジョヴァンニ』公演において、タイトルロールのカヴァーを務め、特別演奏会に同役で出演。2003年、小澤征爾オペラプロジェクト・パリ・オペラ座共同制作『ジャンニ・スキッキ』にベット役で出演。2004年1月、市川團十郎演出オペラ『鳴神』鳴神上人役で新国立劇場デビュー、2011年6月、同劇場において『蝶々夫人』シャープレス役で出演。2011年11月、東京文化会館50周年記念公演『古事記』にイザナギ役で出演。2013年、東京文化会館"春祭"『ニュルンベルクのマイスタージンガー』にはコートナー役で出演。その他のオペラ出演歴には、『フィガロの結婚』アルマヴィーヴァ伯爵、『ドン・ジョヴァンニ』タイトルロール、『コシ・ファン・トゥッテ』グリエルモ、『ラ・ボエーム』マルチェッロ、『泥棒とオールドミス』ボブ、『魔笛』弁者、『シモン・ボッカネグラ』パオロ等がある。

コンサートにおいては、ベートーベン「第九」、ヘンデル「メサイア」、ヤナーチェク「グラゴル・ミサ」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」、マーラー「嘆きの歌」等のソリストを務めている。2008年、NHKニューイヤーオペラコンサートに出演。2008年と2013年、NHK交響楽団ベートーベン「第九」のソリストを務める。二期会会員、日本声楽アカデミー会員。聖徳大学客員教授。